@遺言書は自分では作れないのですか?
 →「自筆証書遺言」という形式がありますので、自分で作ることができます。ただ、形式の不備があると無効になるなどのデメリットがあります。

A遺言にはどのような形式がありますか?
 →「普通方式遺言」と「特別方式遺言」に分かれます。普通形式は「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、秘密証書遺言があります。

B何歳から遺言書を作る能力があるのですか?
 →満15歳以上の者から可能です。

C「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の違いは?
 
種類
自筆証書遺言
公正証書遺言
作成方法
遺言者が@遺言の全文A日付B氏名を必ず自署しC押印をする方法(ワープロ・代筆不可)
証人2人立会いのもと、公証役場にて公証人が遺言者の意思を文書にして作成する方法
印鑑
認印可
遺言者は実印
証人は認印可
遺言書の保管(注)
遺言者が保管
原本は公証役場で保管
遺言者には正本と謄本(コピー)が交付される。
家庭裁判所の検認
必要
不要
特徴
遺言書の作成・存在を秘密にでき、作成も簡単
しかし、
@変造や紛失の恐れがある。
A相続発生時に遺言書が見つからない恐れがある。
B要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れ
  がある。
@変造・紛失の恐れがない。
A無効になる恐れもなく、最も安全な方法。
Bただし、若干の費用が掛かる。


(注)家庭裁判所の検認とは、遺言の内容を明確にし、偽造・変造を防ぐための手続き。遺言書の有効・無効を判定するものではありません。

D遺言書がない場合はどうなるの?
→相続人の分割協議により遺産を分割します。(紛争の恐れがないとは言えません)

これらのことから、遺言書の作成は大切であり、公正証書遺言がより良いと考えます。

・遺言書を作成することをお勧めするケース
 @法定相続分と異なる配分を指定したい場合(ただし、遺留分を侵害する場合は相続人が遺留分減殺請求権を行使するとその通りにはできません。)
  〈参考〉
  法定相続分:相続人が配偶者のみ→全部
          相続人が配偶者と子→配偶者2分の1、子2分の1
          相続人が配偶者と直系尊属(親など)→配偶者3分の2、直系尊属3分の1
          相続人が配偶者と兄弟姉妹→配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

  遺留分:遺族に保証された遺産の最低保証分。ただし、遺留分に反する遺言は無効になるのではなく、相続人が遺留分減殺請求権を行使するまでは有効(行使するのに期限あり)。
          全体の遺留分
           相続財産に対する割合:直系尊属のみが相続人の場合→3分の1
                          それ以外→2分の1
           (注)兄弟姉妹には遺留分はありません。
          全体の遺留分に各相続人の法定相続分を掛けることで、各相続人の遺留分が求められます。

 A相続人の人数・遺産の種類・数量が多い場合
   だれに何を相続させたいか明確に指定しておけば紛争防止になりやすい。

 B個人事業主や農家の場合
   相続によって事業用資産が分散することの防止になる。

 C相続人以外に財産を与えたい場合(遺贈)
   遺言書がなければ不可能です。
など






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